Rhinoの基本ジオメトリック(形状)オブジェクトは点、曲線、サーフェス、ポリサーフェス、押し出しオブジェクト、そしてポリゴンメッシュオブジェクトです。
NURBS(非一様有理Bスプライン)は、単純な2次元の線、円、円弧、直方体から、最も複雑な3D自由有機サーフェスやソリッドに至るまで正確に定義することのできる数学的表現方法です。NURBSモデルはその柔軟性と正確性から、イラストレーションやアニメーション、製造に至るまで、どのような過程にも使うことができます。
NURBSジオメトリは、自由で流れるような、それでいて機能性も重視される3D形状を作成するデザイナー達の業界標準です。Rhinoは、マリンデザインや航空宇宙デザイン、自動車の内装・外装のデザインに使用されています。家庭用品やオフィス用品、家具、医療機器や運動設備、靴やアクセサリーのメーカーでも、自由形状モデルの作成にRhinoが使われています。
NURBSモデリングはまた、プロのアニメーターやグラフィックアーティストにも数多く使用されています。NURBSモデラーの利点は、ポリゴンモデラーとは異なりポリゴン(ファセット)がないということです。モデルのレンダリングはどのような解像度でも行えます。どの解像度でも、モデルからメッシュを作成することができます。NURBSの数学的な詳しい説明についてはNURBSとは?をご覧ください。
点オブジェクトは、3D空間の中の1つの点を表します。点オブジェクトはRhino のオブジェクトの中で一番単純なオブジェクトです。点オブジェクトは、空間のどこにでも配置することができます。点オブジェクトは、他のオブジェクトの配置の目安として使用されることが多くあります。
参照: 点オブジェクトの作成
Rhinoの曲線はワイヤーのようなもので、真っ直ぐなものやねじれたもの、開いたものや閉じたものなど、自由に形を作ることができます。
ポリカーブ とは、複数の曲線セグメントをそれぞれの端と端で繋いだものです。
Rhinoは曲線を作成するためのツールを豊富に取り揃えています。これらのツールを使うと、直線、線セグメントを接続したポリライン、円弧、円、多角形、だ円、ヘリカル、スパイラルなどを作成することができます。
曲線の制御点を使用して曲線を作成することも、指定した点を通るように曲線を作成することもできます。
Rhinoで作成できる曲線には、線、円弧、円、自由曲線、これらの組み合わせなどが含まれます。曲線には、開いた状態と閉じた状態、平面状、非平面状があります。
一般的に、サーフェス/メッシュ/SubDのエッジは曲線と同等です。コマンドが曲線を選択するように促す際は、エッジを曲線として選択することができます。
参照: 曲線や直線の作成
サーフェスは伸縮自在な長方形のゴムのシートに似ています。NURBSの形式は平面や円柱のような簡単な形状から、フリーフォーム、彫刻したような形状のサーフェスまでを表現することができます。
Rhinoのサーフェス作成コマンドはすべて、同じオブジェクト、つまりNURBSサーフェスを作成します。Rhinoには直接サーフェスを作成する、または既存の曲線からサーフェスを作るツールがいろいろ用意されています。
すべてのNURBSサーフェスの形は、本質的に長方形です。
円柱のような閉じたサーフェスでも、長方形の一枚の紙を巻いて両端を合わせたようになっています。サーフェスのエッジが位置を合わせて完全に接触している部分をシームと呼びます。長方形に見えないサーフェスは、トリムされているか、エッジ上の制御点が移動されているものです。
サーフェスは開いているかまたは閉じているかどちらかの状態です。開いた円柱は一方向にだけ閉じています。
トーラス(ドーナツ形)は二方向に閉じています。
サーフェスはトリムされた状態(トリムサーフェス)か、トリムされていない(非トリムサーフェス)状態かのどちらかです。トリムサーフェスは、すべての基底にあるジオメトリック形状を定義するサーフェスと、基底のサーフェスから取り除かれた(トリムされた)部分を印すトリム曲線の2つの部分で構成されています。
トリムサーフェスは、サーフェスをトリムあるいは分割するコマンドを使用して、曲線や他のサーフェスを使って作成します。トリムサーフェスを直接作成するコマンドもあります。
サーフェスの形は、長方形のパターンに配置された制御点で定義されます。
サーフェスがトリムサーフェスであるか非トリムサーフェスであるかを把握しておくことは重要です。Propertiesコマンド を使うと、サーフェスがトリムされているかどうかを調べることができます。Rhinoのコマンドの中には、非トリムサーフェスしか扱わないものがあり、またソフトウェアの中にはトリムされたNURBSサーフェスをインポートしないものがあります。
トリム曲線は、基底サーフェス上に位置します。基底サーフェスは、トリム曲線より大きい場合がありますが、Rhinoはトリム曲線の外側にある部分は描画しないので、基底サーフェスは見えません。それぞれのトリムサーフェスは、その下のトリム基底サーフェスジオメトリについての情報を保持しています。トリムサーフェスはUntrimコマンドを使い、トリム曲線の境界線を取り除いてトリムされていない状態に戻すことが可能です。
サーフェスを横断するトリム曲線がある場合、そのトリム曲線自体は、サーフェスの制御点の構成とは何の関係もありません。これは、そのようなトリムサーフェスを選択し、制御点をオンにすれば分かります。制御点をオンにすると基底サーフェス全体の制御点が表示されます。
平面曲線からサーフェスを作成した場合、できあがるサーフェスはトリムサーフェスになる可能性があります。図のサーフェスは、円から作成されました。制御点表示でサーフェスの長方形構造が表示されます。
Untrimコマンドを使用すると、トリム曲線をサーフェスから取り除いて基底のトリムされていない長方形型のサーフェスに戻すことができます。
ワイヤフレーム表示では、サーフェスは交差する曲線の集まりのように見えます。これらの曲線はアイソパラメトリック曲線あるいはアイソカーブと呼ばれます。これらの曲線はサーフェスの形状をイメージしやすいように使われています。ポリゴンがポリゴンメッシュを定義するのとは異なり、アイソパラメトリック曲線はサーフェスを定義しません。これらの曲線は、画面でサーフェスが見えるよう視覚補助として使われています。サーフェスを選択すると、そのサーフェスのアイソパラメトリック曲線はすべてハイライト表示されます。
エッジ曲線は、サーフェスの境界線です。サーフェスのエッジ曲線は他のコマンドの入力情報として使用することができます。
参照: サーフェスの作成
ポリサーフェスは、2つまたはそれ以上のサーフェスを結合したものです。ポリサーフェスで体積を包括するものはソリッドを定義します。
参照: ポリサーフェス
サーフェスまたはポリサーフェスで体積を包括しているものをソリッドと呼びます。ソリッドは、サーフェスまたはポリサーフェスが完全に閉じられた時にできます。Rhinoでは、1つのサーフェスからなるソリッド、ポリサーフェスのソリッド、そして押し出しソリッドを作成できます。
1つのサーフェスを巻いて、そのサーフェス自身のエッジを結合してソリッドを作ることが可能です。コマンドの例には、Sphere、Torus、Ellipsoidが挙げられます。1つのサーフェスでできるソリッド上の制御点は表示することができ、それらの制御点はサーフェスの形状を変えるために動かすことができます。
Rhinoコマンドには、ポリサーフェスのソリッドを作成するものもあります。ポリサーフェスのソリッドを作成するコマンドの例には、Pyramid、Cone、そしてTruncatedConeがあります。
SolidPtOnコマンドを使用すると、ポリサーフェスの(制御点のように動作する)グリップ点をオンにすることができます。
参照: ソリッドオブジェクトの作成
軽量押し出しオブジェクトは、NURBSオブジェクトに通常必要なアイソカーブのネットワークの代わりに輪郭曲線と長さのみを入力情報として使用します。Box、Cylinder、Tube、ExtrudeCrvコマンドは押し出しオブジェクトを作成します。押し出しオブジェクトは、開いているか、平面状のキャップで閉じることもできます。これらのオブジェクトは、編集のための情報をより追加するために、必要な場合いくつかのコマンドによってポリサーフェスに変換されます。押し出し点を表示するには、PointsOnコマンドを使用するか を押します。
参照: 曲線やサーフェスの押し出し
レンダリングやアニメーション、ステレオリソグラフィ、ビジュアリゼーション、有限要素解析(FEA)など、ジオメトリを表現するのにポリゴンメッシュを使うモデラーが多いので、RhinoはMeshコマンドを使ってエクスポート用にNURBSジオメトリをポリゴンメッシュに変換する機能を備えています。更に、メッシュ作成のためのコマンド(MeshSphere、MeshBox、MeshCylinderなど)もメッシュオブジェクトを作成します。
参照: メッシュオブジェクトの作成
RhinoのSubDオブジェクトは、高精度のCatmull Clarkサブディビジョンサーフェスで、複雑な有機形状を素早くモデリング、編集できるように設計されています。
RhinoのSubDオブジェクトは、測定可能で製造可能です。SubDオブジェクトは、高品質のNURBSまたはメッシュ(四角形または三角形)オブジェクトに変換することができ、メッシュまたはNURBSをサポートするファイル形式(IGES、STEP、OBJ、STLなど)にエクスポートすることができます。
ほとんどのSubD作成および編集コマンドは、SubDメニューそしてSubDツールツールバーにあります。
Rhino SubD Rulesのドキュメントは、RhinoのSubDオブジェクトによって使用される数学的な定義の基準の技術的な説明を提供します。
Tabキーを押すか、SubDDisplayToggleコマンドを使用すると、SubDオブジェクトをフラットモードとスムーズモードの間で切り替えることができます。
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