このチュートリアルの目的は、写真をトレーシングしてモデリングを始める方法を紹介することです。
このチュートリアルでは次のことを学習します。
● | イメージをトレーシングして輪郭曲線を作成する |
● | 輪郭曲線をロフトするための断面曲線を作成する |
● | サーフェスの形状を変更するために制御点を編集する
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トンボは上面図で見ると左右対称です。このモデルは科学的な複製として使われるわけではないので、トンボの片側をトレーシングし、その曲線を反対側にミラーします。側面図では輪郭は左右対称ではないので、2本の曲線を描きます。その後、断面曲線をロフトして体を作成します。頭は別個に作成します。
尾と本体は一体として作成します。尾は実際は収縮する複数のセグメントから構成されています。アニメーションや科学的なモデルを作成する場合は、トンボをより小さなサーフェスに分割した方が良いでしょう。
モデルの作成を始める
1. | モデルを新規作成します。 |
2. | テンプレートファイルを開くダイアログボックスで、Small Objects - Millimeters.3dmを選択して、開くをクリックします。 |
参照線を作成する
4 | Topビューポートで、Lineコマンドを使用して0,0,0から50ミリメートルの参照線を作成します。 |
上面図を配置する
1. | PictureFrameコマンドを実行します。 |
2. | DragonFly Top.jpgという画像ファイルをTopビューポートに配置します。 参照線を使用して、ピクチャーフレーム画像の長さを設定します。 |
イメージを正しい位置に移動する
4 | オブジェクトスナップを使用してイメージを左側の中点(Mid)から作業平面の原点の0,0,0へ移動します。 |
側面図を配置する
1. | PictureFrameコマンドを実行します。 |
2. | DragonFly Side.jpgという画像ファイルをFrontビューポートに配置します。 参照線を使用して、ピクチャーフレーム画像の長さを設定します。 |
3. | 直交モードを使用して、Frontビューポートで参照線がトンボの体の中心と一致するまでイメージをドラッグします。 |
ビューを用意する
4 | 側面図のピクチャーフレームを非表示にします。 |
輪郭曲線を描く
4 | TopビューポートでCurveコマンドを使って、トンボの体の上半分の輪郭を作成します。 細かく描画するために必要だと思われる数の制御点を使います。 首の部分まで作図します。頭は後から別の方法で作成します。 |
曲線をミラーする
4 | TopビューポートでMirrorコマンドを用いて参照線を軸にして曲線をコピーします。 写真では、トンボは中心線を挟んで対称ではありませんが、このモデルは定型化するため、対称でないことはこの練習では関係がありません。精度のレベルは、ご自身で決めてください。 |
側面を表示する
4 | Showコマンドを使用して、側面のフレームオブジェクトを表示します。 |
曲線をブレンドする
4 | FrontビューポートでBendコマンドを使って、このビューでの本体の曲線の湾曲に合わせて尾の部分の曲線を曲げます。 |
体の側面をトレーシングする
4 | Frontビューポートで、Curveコマンドを使用して参照線の上と参照線の下に1本ずつ、合計2本の曲線を使って本体の輪郭をトレーシングします。 ビューポートを最大化してズームインします。曲線を作成するために必要な点をピックします。丸みのある角には多くの点を使いますが、直線の部分には点は少しで足ります。 |
ビューを用意する
4 | ピクチャーフレームオブジェクトと参照線を非表示にします。 |
本体のサーフェスを作成する
4 | CSec コマンドを使って上側、下側、側面の曲線を通る断面輪郭曲線を作成します。 断面曲線は、詳細を保つために必要な数を作成します。次のステップでサーフェスをロフトした段階で、十分な数の断面曲線を作成したかどうかが分かります。形を保つために十分な断面曲線がない部分には、断面曲線を追加してサーフェスを再びロフトしてみてください。 |
頭をだ円球を使って作成し、制御点を移動させて変形させます。眼もだ円球から作成します。首の部分はサーフェスブレンドを使います。
頭を作成する
1. | Ellipsoidコマンドを直径オプションと共に用い、Frontビューポートでだ円体の作成を開始します。 |
2. | 昇降モードを使用して1つ目の点を配置します。 1つ目の軸の始点のプロンプトで、Ctrlキーを押しながらTopビューポートで頭の横側近くをクリックします。 |
3. | Frontビューポートで、カーソルを上(側面の頭の中心)に移動し、クリックします。 |
4. | 1つ目の軸の終点のプロンプトで、直交モードをTopビューポートでオンにし、頭の反対側でクリックします。 |
5. | 2つ目の軸の終点のプロンプトで、Frontビューポートで点をピックし、前から後ろの頭のサイズを決定します。 Topビューポートのプレビューを見て、全体のサイズをチェックします。 |
6. | 3つ目の軸の終点のプロンプトで、Frontビューポートの頭の一番上の部分で点をピックします。 メモ: だ円体をこの順序で作成することと、これらのビューポートを使用することは、次の手順のためにだ円体の極を正しい位置に配置するのに大切です。 |
だ円球をリビルドする
4 | だ円球に更に制御点を追加するには、Rebuildコマンドを使用します。 U方向の点の数を16に、V方向の点の数を10に設定します。 |
制御点をドラッグして頭の形を整える
1. | だ円球の制御点をオンにするには、PointsOnコマンドを使います。 |
2. | Topビューポートでだ円球の両側の点を選択し、後ろの方に移動させて頭を変形させます。 |
3. | Rightビューポートで、真中の2列の点を下に移動させます。 |
首は、頭と本体の間のブレンドサーフェスです。まず、頭の形をトリムして開口部を作成します。
首をトリムする
4 | Frontビューポートで、イメージのように線を描き、Trimコマンドを使ってその線で頭と体の形をトリムします。 |
首と体のブレンド
4 | BlendSrfコマンドを使って頭と本体の間に滑らかなサーフェスを作成します。 シームが整列し、曲線の方向を示す矢印が同じ方向を向いていることを確認してください。 |
目は、単純なだ円球です。
ベースのだ円球を作成する
4 | Ellipsoidコマンドを使って目を作成します。 画像を基準にしてサイズと位置を決めます。 |
反対側にミラーする
4 | Mirrorコマンドを使って反対側に目をコピーします。 |
尾の先端は、丸く切り取られた形になっています。ブール演算を使ってこの形を作成します。
切り抜く円柱を作成する
4 | Cylinderコマンドを使って、図のように尾を切り抜くソリッドの円柱を作成します。 |
尾をブール演算する
4 | BooleanDifferenceコマンドを使って、尾の先端部分を切り抜きます。 |
羽は、閉じた曲線から作成されたソリッドです。足は、足の中心に沿ってポリラインをトレーシングし、パイプサーフェスを使ってポリラインの回りに一連のチューブを作成することによって作成します。
輪郭曲線を描く
4 | TopビューポートでCurveコマンドを使って、トンボの片側の羽をトレーシングします。 |
曲線を押し出してソリッドを作成する
4 | ExtrudeCrvコマンドを使って曲線を薄いソリッドにします。 コマンドラインオプションのソリッドをはいに設定します。 |
羽を移動して配置する
4 | Moveコマンドを使って羽を背中に配置します。 トンボの側面からのイメージを見て確認してください。前の羽は後ろの羽よりも少し高くなっています。 |
羽を反対側にミラーする
4 | Mirrorコマンドを使って反対側に目をコピーします。 |
足は、開始位置と終了位置に異なる半径を指定した、ポリラインの回りに作成するパイプです。
ベースのポリラインを作成する
1. | TopビューポートでPolylineコマンドを使って、足の中心の線をトレーシングします。 |
2. | TopビューポートとFrontビューポートで足の位置を整えるため、制御点を編集します。 ここで使っている上面図と側面図のトンボの足は同じではないので、想像力を働かせなければならないでしょう。 |
足をパイプする
4 | Pipeコマンドを使って、ポリラインの回りに足を作成します。 背景の写真を参考にして、パイプの開始部分の直径と、先端部分の直径を決定します。 |
足をミラーする
4 | Mirrorコマンドを使って反対側に足をコピーします。または、反対側で違う足を新たに作成します。 |
よりリアルに仕上げるには、色や反射、透明度などを追加するといいでしょう。